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小児矯正

「まだ早い」が手遅れに?小児矯正は成長期を見据えた相談が大切

 

「まだ小さいから矯正は先でもいい」と考えていたけれど、実際に相談すると「もっと早く来ればよかった」と話される親御さんは少なくありません。相談が遅れることで矯正の選択肢が限られてしまう場合もあり、成長のタイミングを逃すと負担が大きくなることもあります。今回は、実際のエピソードを交えながら、小児矯正を早めに検討する重要性について解説します。

 

1. エピソード①小学校4年生のお子さんのケース

10歳のAちゃんは、前歯の噛み合わせが気になると来院しました。保護者の方は「矯正はまだ早いのでは」と考えていたそうですが、診察の結果、顎の成長にわずかな偏りが見つかり、このまま放置すると将来の歯並びに影響が出る可能性があることが分かりました。

成長期に合わせて矯正装置を取り入れたことで、短期間のうちに前歯の噛み合わせが整い、将来必要となる矯正の負担を軽くすることができました。子どもの顎や歯は日々変化しているため、適切なタイミングを逃すと治療方法が限られ、より大掛かりな処置が必要になる場合もあります。

「まだ早い」と思っても、相談の場を持つことで矯正の選択肢が広がる可能性があります。小児矯正は早めのチェックが、将来の健やかな歯並びを守るための大切なきっかけになります。

 

2. エピソード②18歳・高校3年生のケース

高校3年生のAさんは「前歯の噛み合わせ」と「下顎の出っ張り」を気にして来院。その結果、下顎の成長が過剰で、前歯2本が逆に噛んでしまう「交叉咬合」および「顎変形症」であると診断されました。

この状態では通常の矯正だけでは十分に整えられず、顎の骨の手術を伴う「外科的矯正治療」が必要と判断されることに。お父様は「自分も学生の頃に矯正をしたから、子どもも大人になってからで大丈夫だと思っていた」と話されました。しかし、小児期の成長コントロールを行わなかったため、結果的に外科的な治療を選ばざるを得なくなり、「もっと早く相談していれば…」と後悔の言葉がこぼれました。

もちろん、すべての方が外科治療になるわけではありません。多くは1期治療だけで済むか、2期治療で対応可能です。ただし、タイミングを逃すと治療方法が限られてしまうことがあるのも事実です。

 

3. 小児矯正の1期治療とは?

小児矯正の1期治療は、乳歯と永久歯が混ざっている時期に行う治療です。顎の成長を利用できるこのタイミングだからこそ、将来の歯並びや噛み合わせを整えやすくなるという大きな特徴があります。

①顎の成長を利用してスペースを確保

まだ柔らかく成長中の顎を広げることで、永久歯が自然に並ぶためのスペースを確保できます。その結果、将来的に歯を大きく動かす必要が減り、負担の少ない治療につながります。

②将来的な抜歯や大がかりな矯正のリスクを軽減

1期治療で顎の大きさや位置を整えておくと、永久歯が生えそろった後に抜歯や外科的処置が必要になる可能性を減らすことができます。

③歯並びだけでなく口の機能も整えられる

歯だけでなく、噛む力や舌の位置、呼吸のしやすさなど口の機能全体を整えることができます。見た目だけでなく、健やかな成長を支える役割も果たします。

このように、1期治療は「この時期にしかできないアプローチ」があるのが特徴です。適切なタイミングを逃さないためにも、早めに相談することが将来の選択肢を広げる大切な一歩になります。

 

4. 小児矯正後の2期治療とは?

2期治療は永久歯が生えそろってから行うもので、歯並びや噛み合わせを仕上げる段階にあたります。大人の矯正と近い内容ですが、1期治療を経ているかどうかで治療の範囲や負担が大きく変わります。

①歯そのものを整える治療

この段階では、ワイヤー装置やマウスピースを使って歯を理想的な位置に並べていきます。歯並びの見た目と機能を完成させる役割があります。

②1期治療を受けている場合のメリット

あらかじめ顎のバランスが整っていれば、2期治療は短期間で済むことがあります。治療にかかる負担も少なく、選べる方法の幅が広がります。

③適切な時期を逃した場合のリスク

成長期を過ぎてから初めて治療を始めると、顎の成長を利用できず、場合によっては外科的処置が必要になることもあります。

このように、2期治療は永久歯がそろってからの仕上げ段階ですが、1期治療の有無によって結果や治療方法が変わる点が特徴です。

 

5. 小児矯正の装置の種類と目的

矯正装置には、皆さまがイメージする大人用の矯正装置であるワイヤー装置とマウスピース装置があり、一部の子供にも使用します。その他の小児矯正装置としては、可撤式矯正装置、固定式矯正装置、顎外固定装置があります。細かく分けると色々ありますが、大きく分けて3種類あります。それぞれに特徴があり、目的やお子さまの状態に応じて使い分けます。

①ワイヤー矯正

歯に固定するタイプで、複雑な歯の移動や顎の成長を利用した矯正に対応できます。装着の忘れが少なく、安定した治療効果が期待できます。

②マウスピース装置

取り外し可能で、装着中の違和感が少なく、顎の成長や習癖の改善にも役立ちます。食事や歯磨きの際に外せるため、口腔内の清潔を保ちやすいのもメリットです。

③可撤去矯正装置

可撤式矯正装置は取り外しができる矯正装置です。取り外せるため歯磨きが楽で衛生的ですが、使用しないと効果は全くありません。更に、外したままにすると装置が入らなくなります。

④固定式矯正装置

固定式矯正装置は口の中に装置が固定されているため、自分で取り外しはできません。そのため、絶えず装置がついているため効果は必ずあります。ただし、痛みがあった場合には装置の取り外しができないため、矯正歯科へ行って調整してもらう必要があります。

⑤顎外固定装置

顎外固定装置というのは、お口の外に固定源を求める装置です。具体的には、顎やおでこに固定を求めて矯正力をかけていきます。顎外固定装置は、口の中にも異なる装置を併用する場合があります。

このように小児期には主に5種類の装置が入ることが多いです。当院ではどちらか一方に偏らず、お子さまの成長段階や歯並びの状態、生活習慣に合わせて最適な装置を選択しています。更に、舌や口の筋肉の使い方を整えるMFT(口腔筋機能療法)を併用することで、より安定した矯正効果を目指すことが期待できます。

 

6. 恵庭市の歯医者 ライオン歯科クリニックの小児矯正

恵庭市の歯医者 ライオン歯科クリニックでは、お子さん一人ひとりに合った矯正治療を行っています。初診時には検査を行い、顎の成長や歯並びの状態に応じた治療方法をご案内しています。

小児矯正は成長期に合わせた対応が重要で、タイミングによって治療内容が変わる場合があります。そのため、歯並びに関して気になることがあれば、早めに相談することをおすすめしています。

治療方針によって費用は異なりますが、各ご家庭の状況に合わせて最適な方法を検討しています。目立ちにくさに配慮した矯正装置の使用にも取り組んでおり、帰宅後から使用できる装置を提案することもあります。取り外し可能な「床矯正装置」や、必要に応じて奥歯に装着する固定式の装置を使用することもあります。また、顎の成長をコントロールする装置としてMPAやチンキャップ、ヘッドギアなどの取り外し式装置を用いる場合もあります。

矯正用マウスピースは、国内の技工所で製作された透明で取り外し可能なものを使用しています。永久歯が生えそろったお子さんには、状態に応じてマウスピース矯正も検討可能です。お子さん一人ひとりの成長や歯並びの状況をふまえ、長期的な視点で矯正プランを立てています。

 

まとめ

小児矯正は「まだ早いのでは」と考えられることもありますが、成長期だからこそできる治療があります。1期治療では顎の発育を利用して歯並びの土台を整えられますが、この時期を逃すと2期治療では歯を動かすだけの対応となり、治療の負担が大きくなることもあります。

そのため「もっと早く相談しておけばよかった」と思われる親御さんも少なくありません。子どもの歯並びや噛み合わせは成長に合わせて変化していくため、「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、早めに相談することが大切です。また、矯正について迷うときはセカンドオピニオンを検討するのも有効です。

小児矯正についてお悩みの方は恵庭市の歯医者、ライオン歯科クリニックまでお問い合わせください。

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