歯並びを整えるための矯正治療には、近年「マウスピース矯正」が注目されています。この治療法は「アライナー矯正」とも呼ばれており、透明で目立ちにくい装置を使用するため、従来の「ワイヤー矯正」とは異なるメリットがあります。一方で、治療期間がどれほどかかるのか、ワイヤー矯正とどちらが早いのかなど、気になる点も多いはずです。今回は、マウスピース矯正の平均治療期間や治療の流れ、ワイヤー矯正との期間比較、さらに治療期間を短くするポイントについて詳しく解説します。
1. マウスピース矯正の治療期間と治療の流れ
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を少しずつ動かす矯正方法です。
治療期間は患者さんの歯並びの状態によって異なり、抜歯が必要なケースでは治療の適用が制限される場合がありますが、一般的には1~2年が平均的な治療期間とされています。
一般的な治療の流れは以下の通りです。
➀初診と診断
歯科医師による診察を受け、歯並びや噛み合わせの状態を確認します。
3Dスキャンやレントゲン撮影をし、治療計画を立てます。
歯科医師からマウスピース矯正全体の治療期間や、必要なマウスピースの枚数が説明されます。
➁マウスピースの作製
治療計画に基づき、マウスピースが複数作製されます。
➂マウスピースの装着
数週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら、歯を段階的に移動させます。
マウスピースは1日20時間以上の装着が推奨されます。
➃定期的な通院
4~6週間に一度のペースで歯科医院で受診し、治療の進行を確認します。
➄保定装置(リテーナー)の装着
矯正終了後、歯並びを安定させるために保定装置を数年間使用します。
マウスピース矯正は取り外しが可能で、装着時の見た目が目立ちにくいという特徴がありますが、患者さん自身が装着時間を守ることが治療の成功へと繋がります。
2. どっちが早い?マウスピース矯正とワイヤー矯正の期間比較
マウスピース矯正とワイヤー矯正の治療期間には、それぞれの特徴が反映されます。どちらが早いかは、患者さんの歯並びの状態によって異なります。
➀軽度の歯並びの乱れの場合
マウスピース矯正は軽度の症状に適しており、治療期間が半年から1年程度と比較的短い傾向があります。ワイヤー矯正の場合も軽度であれば1年以内に終了することが多いです。
➁重度の症状の場合
重度の歯並びの乱れや顎の骨格的な問題がある場合、ワイヤー矯正が適しており、治療期間は2~3年に及ぶことがあります。マウスピース矯正は重度な場合、対応が難しいケースがあります。
ただし、マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着が必要です。装着時間が短い場合、歯の移動が計画通りに進まず、治療が遅れる原因になります。一方で、ワイヤー矯正は装置が常時固定されているため、患者さん自身で装着時間の管理をする必要がないのが特徴です。
3. マウスピース矯正の治療期間を長引かせないためのポイント
マウスピース矯正の治療期間は患者さん自身の行動に大きく左右されます。治療をスムーズに進めるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
➀装着時間を守る
マウスピースは1日20時間以上装着する必要があります。装着時間を守らないと歯が計画通りに動かず、治療が長引く原因となります。
➁定期的な通院を怠らない
治療経過の確認やマウスピースの調整を行うため、定期的な通院が必要です。通院を怠ると治療計画にズレが生じ、治療期間が長引く可能性もあります。
➂指示通りにマウスピースを交換する
歯科医師から指示されたタイミングで新しいマウスピースに交換することが重要です。交換が遅れると治療計画に影響し、全体の期間が延びる可能性があります。
➃マウスピースを大切に扱う
マウスピースを無くしたり破損したりすると治療の進行を遅らせる原因となってしまいます。
また、マウスピースは清潔に保つようにしましょう。汚れが付着したままだとむし歯や歯周病のリスクも高くなり、治療期間が延びる可能性があります。
4. 自分に合った矯正方法の選び方
矯正治療にはマウスピース矯正やワイヤー矯正をはじめ、さまざまな方法があります。自分に合った方法を選ぶためには、以下のポイントを考慮しましょう。
➀歯並びの状態
マウスピース矯正は軽度から中程度の歯並びの乱れに適しています。一方で、重度の症状や顎の骨格的な問題がある場合は、ワイヤー矯正のほうが効果的な場合があります。
➁見た目やライフスタイル
矯正装置の見た目が気になる方にはマウスピース矯正が適しているでしょう。また、装置が取り外せるため、食事や歯磨きがしやすいというメリットもあります。一方で、取り外しができないワイヤー矯正は装置の紛失や装着忘れの心配がありません。
➂予算
一般的にマウスピース矯正はワイヤー矯正よりも費用が高くなる傾向があります。予算と相談しながら決めると良いでしょう。
➃歯科医師への相談
歯科医師による診断を受け、ご自身の歯並びや生活に合った方法を選びましょう。
まとめ
マウスピース矯正の期間は、軽度の症状であれば短期間で終了する可能性がありますが、患者さんの管理が治療成功のカギとなります。一方で、重度の症状にはワイヤー矯正が適している場合があり、それぞれに特徴があります。
恵庭市の歯医者 ライオン歯科クリニックでは、患者さん一人ひとりに合わせた治療計画を提案しています。恵庭市で矯正治療をお考えの方は、JR恵み野駅前にある歯医者 ライオン歯科クリニックまでご相談ください。
監修:ライオン歯科クリニック
歯科医師/院長 土肥和成